島の自然

ウミガメの災難(救出)

朝方、ヒラスズキを釣りに行った父から電話。「漁網にからまったウミガメを見つけた」とのこと。漁網に引っかかって溺死してしまうウミガメの事故は多いが父の話ではまだ生きているとのことだったので保護して事務所まで持ってきてもらった。風浪の強い西側海岸での発見で打ち上げられていたので助かったようだ。首に食い込んでいたひもをゆくっり切断していく。四肢には少し擦り傷があるが出血はしていない。ただ左目にダメージを受けていた。見事に漁網に巻き込まれていたが逆にその分暴れずにいたので食い込みによる窒息は免れたようだ。甲長は25センチほどまだまだ子ども、ただでさえ1000~2000分の1といわれる生存率のウミガメが人的な被害にあうのはつらいものだ。捨てる人はこんなことが起こるなんて想像もせず捨てるのだろう。海に恩恵を受けている漁業者のゴミが海に生きる生物の命を危険にさらしている。僕らも知らず知らずのうちに同じような事をしているのかもしれない。とりあえずまだ動ける体力がありそうなので比較的波の穏やかな東側の海岸、船の出入りがない入り江から海に戻すことにした。保護も考えたが、施設・飼育スキル、今後の海水温の低下を考えると今のうちに海に戻したほうがベストだと判断した。海に戻したが30分くらい浅瀬を行ったり来たりなかなか潜らない。ちょっと心配になってきた。寒かったので電気自動車の中から見守る。海に放ったのは失敗だったかなと回収することを考え、鹿児島水族館の友人に連絡しようかと思ったときスッと波間に消えた。 今日は海水温より気温が低かった為、動きが悪くなっていたのか海水温に馴染んで(変温動物だから?)動けるようになったのだろうか。元気に大きくなって父を竜宮城に招待してもらいたいものだ。